2012 年 3 巻 2 号 p. 129-134
Acute Kidney Injury(AKI)の背景は多様で比較困難なため術後集中治療(ICU)管理AKI症例に限定,検討した。対象と方法:術後ICU管理AKI 27例をrenal replacement therapy(RRT)施行有無で分類(R群,NR群)。群間でsequential organ failure assessment(SOFA)スコアを中心に比較した。またSOFAスコア,RRT施行を独立因子,術後年内死亡(年内死)を従属因子としロジスティック回帰分析を行った。結果:R群でSOFAスコア高値も,年内死割合に差はなかった。ロジスティック回帰分析上有意差はなかった。考察:SOFAスコアは年内死予測に有用でなかった。またR群の重症度,上記回帰分析の結果を総合するとRRT介入の有用性は否定されなかった。鋭敏な新たなバイオマーカーとそれを用いた介入が重要と考える。