2013 年 4 巻 1 号 p. 93-96
敗血症の治療中に生じた血小板輸血不応に対し,血漿交換療法を行い奏効した症例を経験した。症例は43歳,女性。急性骨髄性白血病に対する化学療法後に汎血球減少が生じ,治療開始30日後に敗血症となり当院ICUに入室した。第3 ICU病日に何ら誘因なく肝逸脱酵素とビリルビン値の急激な上昇とPT-INRの著明な延長を生じ,急性肝不全となった。ただちに血漿交換療法を3日間施行し,肝機能障害は急速に回復した。ICU入室後に血小板輸血不応状態となり,第10 ICU病日には血小板減少に伴う肺胞出血を生じた。抗血小板抗体が陽性であったため,血小板輸血の効果回復のため同種抗体除去を目的に血漿交換療法を3回施行した。血小板輸血による血小板数増加は回復し,肺胞出血も改善した。病因物質除去を目的とした血漿交換療法は,自己あるいは同種抗体といった分子量の大きな物質が関連する病態での治療法の一つとして有用である可能性が示唆された。