集中治療領域において持続的腎機能代替療法(Continuous Renal Replacement Therapy:CRRT)は欠かせないものとなっており,CRRTで使用するヘモフィルタは長時間にわたり使用可能であることが求められる。今回,エクセルフロー®(AEF)についてAEF0.7(膜面積0.7m2)とAEF1.0(膜面積1.0m2)でクロスオーバー比較試験にてライフタイムを検討した。さらに,実験系でヘモフィルタ内部の流れをX線透視下に観察した。ライフタイムは,AEF0.7で1,908±210分,AEF1.0で1,305±213分とAEF0.7の方が有意に長かった。また,実験系の結果では,膜面積が大きいほどヘモフィルタ内部の血流分布が不均一であることが示唆された。AEFでは,膜面積が大きくなるほどL/Dが小さく,ヘッダー直径は大きくなる設計となっている。今回,膜面積が大きいAEFでライフタイムが短縮した原因は,ヘッダーの直径が大きくなったことによる線速度の減少と,血流分布が不均一となったことによる影響があったと考えられた。よってヘモフィルタのライフタイムを延長するには,L/Dが適正であることが重要である。
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