2013 年 4 巻 2 号 p. 103-106
予後不良な腎機能代替療法(renal replacement therapy:RRT)を要する急性腎傷害(acute kidney injury: AKI)に対して早期発見および予後推測,さらには治療介入の指標となるバイオマーカーの開発が進んでいる。一方で,RRTを離脱しても30~40%の症例で再導入を要すること,RRT再導入は予後不良因子であることから,RRTからの適切な離脱は予後改善に繋がる可能性がある。このことから再導入に至らないRRT離脱の指標となるバイオマーカーが求められる。近年,RRT離脱症例で尿中neutrophil gelatinase-associated lipocalin(NGAL),hepatocyte growth factor(HGF)が経時的に低下することが報告された。今後,臨床的指標とバイオマーカーの組み合わせが,RRTからの適切な離脱および予後改善に寄与することが期待される。