2014 年 5 巻 2 号 p. 133-138
重炭酸血液濾過用補充液を使用して,持続血液浄化療法を施行すると回路内に二酸化炭素の気泡が生じる。旭化成メディカル社製ACH-Σ®(Σ)では,それに伴い静脈チャンバーの液面が低下することが報告されている。そこで,血液浄化装置の構造の違いが気泡発生量に与える影響について検討した。【方法】Σの標準回路(N回路)を変更し,補液ポンプ入口側の加温器をバイパスした回路(KB回路)と補液ポンプの重量計をバイパスした回路(JB回路)を作成した。補液流量を1L/hrとし,N,KB,JB回路でCHFを2時間施行後,回路内の気泡をトラップチャンバーに集め容量を測定した。また各回路の補液ポンプ入口圧を測定した。【結果】JB回路はN,KB回路と比較して気泡発生量が有意に少なかった。また補液ポンプ入口圧は,JB回路がN,KB回路と比較し,有意な高値を示した。【結語】今回の検討から,補液ポンプ入口圧の低下が気泡発生容量の増加に関与する可能性が示された。