日本急性血液浄化学会雑誌
Online ISSN : 2434-219X
Print ISSN : 2185-1085
症例報告
急性血液浄化療法を施行し救命したビグアナイドによる乳酸アシドーシスの1例
村田 真紀瀬田 公一北村 憲子小泉 三輝菊地 祐子八幡 兼成
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2014 年 5 巻 2 号 p. 149-152

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抄録

80歳代女性。歴25年の2型糖尿病で6年前から血液透析中。4日前から食欲不振,来院当日に嘔吐と意識混濁で救急搬送された。血液ガス所見でpH 6.724,Lactate 30mmol/Lと著明な乳酸アシドーシスを認めた。アシドーシス補正目的でsustained low-efficiency dialysisを開始した。5日前から近医でブホルミンを投与されていたことが判明したため,ブホルミン除去目的でカテコラミンを使用しながら透析効率を上げて合計12時間の透析(HD)を施行した。第2,3病日もHDを施行し,意識レベルとアシドーシスは改善した。ブホルミン血中濃度は来院時3,790ng/mL,第2病日で940ng/mL(Cmax 260~410ng/mL)であった。ビグアナイドによる乳酸アシドーシスは予後不良で死亡例も報告されている。本症例は速やかな診断と高流量血液透析により良好な予後を得た。

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© 2014, 特定非営利活動法人 日本急性血液浄化学会
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