2014 年 5 巻 2 号 p. 153-155
尿素(UN),クレアチニン(Cre),尿酸(UA)は腎不全で血中濃度が上昇するため,腎不全の程度や血液浄化療法の治療効率測定に用いられる。しかし内因性の産生速度,体内分布容積が異なるため,血中濃度の減少率は異なる可能性があると考え,それを明らかにすることを本研究の目的とした。2013年1月から8月に東大病院ICUでCHDFを48時間以上施行された21症例を対象とし,CHDF開始時,24時間後,48時間後に測定されたUN,Cre,UAの血中濃度を用いて,開始時の血中濃度からの減少率を算出した。各分子の減少率はUN 23.2±24.2%(24h),36.2±35.4%(48h),Cre 25.8±23.9%(24h),40.2±29.3%(48h),UA 39.9±17.7%(24h),58.1±19.8%(48h)であり,24時間後および48時間後においてUA減少率はUNの減少率と比較して有意に高かった。このことから従来のUN, CreだけでなくUAの減少率もCHDF施行時の除去効率の指標として有用である可能性が示唆された。