日本急性血液浄化学会雑誌
Online ISSN : 2434-219X
Print ISSN : 2185-1085
症例報告
2kg以下の新生児に対するエンドトキシン吸着療法施行時のプライミング方法・充填血液補正法に関する当院の工夫
河内 充澤田 真理子臼井 幹田村 真奈美岡田 和宜山下 毅高見 奈美齋藤 真澄渡部 晋一
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2014 年 5 巻 2 号 p. 156-159

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抄録

体重2kg以下の敗血症患者の直接血液灌流法によるエンドトキシン吸着療法(PMX)を3症例経験した。新生児の急性血液浄化療法は回路充填液による膠質浸透圧の低下や血圧低下を防ぐため,カリウム濃度,カルシウム濃度および重炭酸濃度を補正した血液製剤で回路充填することが,体外循環による新生児血液浄化療法ガイドラインで推奨されている。当院では,エンドトキシン吸着器と血液濾過器を直列に接続することにより,回路充填血液の補正,PMXおよびPMXと血液透析濾過の直列施行(PMX+HDF)を血液浄化装置1台で施行した。補正時はPMX側を鉗子で遮断し,血液濾過器のみに充填血液を灌流し,血液透析による補正を行った。補正後に鉗子で遮断する位置を変更することで,PMX回路またはPMX+HDF回路を確立した。この方法は回路構成が同じだが,2種類の血液浄化法が選択可能であり,かつ合併症なく安全に施行可能であった。

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© 2014, 特定非営利活動法人 日本急性血液浄化学会
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