2015 年 6 巻 1 号 p. 17-22
【目的】頭蓋内圧亢進症急性期の維持透析患者に対する血液浄化療法として,頻回低効率短時間血液透析(frequent low-efficiency and short hemodialysis:FLESHD)と頻回低効率短時間血液濾過(frequent low-efficiency and short hemofiltration:FLESHF)の有効性について比較した。【方法】頭蓋内圧亢進症急性期の維持透析患者14名をFLESHD群(n=7)とFLESHF群(n=7)の2群間に無作為に分けた。両群とも最初の3回は,グリセロール400mL/回を使用し,FLESHDはQB 100mL/分,QD 300mL/分,ダイアライザAPS-11SA®,2時間で実施し,FLESHFはQB 150mL/分,QS 10L/回,ヘモフィルタAPS-15SA®,4時間で実施した。【結果】意識状態と転帰は両群に有意な差を認めなかった。血圧変化率と血漿浸透圧変化率には有意差を認めず,HCO3-変化率はFLESHD群で有意に低値であり,体外循環時間も有意に短時間であった。【結語】頭蓋内圧亢進症急性期の維持透析患者において,FLESHDは有効かつ安全性も高い血液浄化法であると考えられた。