2011年11月京都大学医学部附属病院において,持続的血液濾過透析(continuous hemodiafiltration:CHDF)回路交換を行う際に,膜型血漿分離器を取り付けたことに起因する医療事故が発生した。再発防止対策として,(1)CEによるCHDF回路組み立て24時間体制の確立,(2)CHDF物品指示と設定指示,(3)物品管理の徹底,(4)院内共通の手順書の作成,(5)継続的な看護師教育と院内認定看護師制度の実施,(6)他診療科と血液浄化部門の共同診療体制強化,が進められ,日当直CEへの年3回の講習および集中治療を担当する看護師を対象にした認定制度も開始した。一方,血液浄化器の血液ポートおよび透析液ポートは現在でも同じ規格で,同じ誤りが起こりうる。また,設定表示も機器毎に異なっており,再発予防対策を進めるためには,関連メーカー各社の協力も含めた一層の改良が必要と思われる。