2016 年 7 巻 1 号 p. 72-75
腫瘍崩壊症候群(Tumor Lysis Syndrome:TLS)を発症していたが,間歇的高効率血液浄化療法(Sustained high-efficiency daily diafiltration using a mediator adsorbing membrane:SHEDD-fA)を併用し安全に抗腫瘍療法を行えたBurkittリンパ腫の症例を経験した。【症例】60代男性。肺炎とDICを併発しICUに入室。代謝性アシドーシスと高K血症,高尿酸血症,無尿を認めた。ただちにSHEDD-fAを開始し,徐々に全身状態が改善。SHEDD-fAを継続しつつ,第2,3 ICU病日にプレドニゾロン 1mg/kg/日を投与し,TLSの悪化を認めないことを確認し,CHOP(Cyclophosphamide:シクロフォスファミド,Hydroxydaunorubicin:ダウノルビシン,Vincristine:ビンクリスチン,Predonisolone:プレドニゾロン)療法を開始。TLSによる有害事象は認めなかった。危機的なTLSを伴う症例の抗腫瘍療法であっても,SHEDD-fAにより安全に施行できる可能性が示唆された。