2016 年 7 巻 2 号 p. 152-156
近年,RO装置の性能向上や厳格な水質管理基準により,高度に清浄化された透析液が得られるようになり,透析施設を中心にOn-line HDF(OHDF)が数多く行われている。当院ではICUの移転に伴い,多人数用RO装置をICU内に設置し,水質基準に準拠した管理体制を整えた。設備導入に際して検討不足の場面もあり対応が必要な問題点もあったが,対処後は現在まで安定した水質を維持できている。実際の治療ではOHDFを持続治療に応用し,On-line CHDFとしている。2012年1月からの2年間で24時間以上の持続治療を16例経験し,ICU生存率88%であった。施行にあたっては連続運転が大きな課題となり,超純粋透析液の清浄度維持,普段の透析治療とは異なる操作への対応,薬剤・有用物質の損失などの問題が明らかになった。OHDFを急性血液浄化に応用するには,RO装置の運用にも留意し,安全かつ効果的な治療を行えるように治療体制を確立する必要がある。