2016 年 7 巻 2 号 p. 147-151
慢性腎臓病(CKD)患者は,高血圧・糖尿病・高脂血症などの心血管病の危険因子を有していることが多く,心血管手術では極めて予後不良のためより厳密な電解質や水分管理などの周術期管理が求められる。本学においては,施設毎に治療方針が異なるものの全施設とも術前より各種血液浄化療法や治療スケジュールを考慮し,高カリウム血症などの電解質の是正や厳密な水分管理が行われている。また,術中の血液浄化療法は設備環境の違いによりDilutional ultrafiltration(DUF),CHD(F)およびHDが選択されている。術後はとくに循環動態が不安定な症例ではCHDFが施行されているが,病態によっては持続低効率透析(SLED)などが施行されるなど周術期管理における血液浄化療法の役割は非常に高いと考えられる。しかしその効果については一定の見解を得られていないため,今後は客観的指標を用いた血液浄化療法の施行や治療成績の比較評価システムの構築が必要である。