炎症性腸疾患は若年者に好発する慢性の炎症を消化管にきたす疾患で原因は不明であるが,免疫系の異常が想定されている。クローン病と潰瘍性大腸炎はその代表的な疾患であり,かつてはまれな疾患であったが近年急速に増加し両疾患を合計すると20万人近くに達する。この治療法の1つに白血球の除去をターゲットとしたアフェレーシス療法があり効果的である。しかし,無効例もあり適切な患者の選択は重要な課題である。その作用機序は攻撃因子である炎症細胞の除去のほか障害された粘膜の再生にも効果があると想定されている。しかし,臨床的な適応を決定するには機序解明は進んでいない。