日本急性血液浄化学会雑誌
Online ISSN : 2434-219X
Print ISSN : 2185-1085
技術・工夫
Polysulfone膜を用いたContinuous renal replacement therapy(CRRT)施行中の,ヘモフィルター内の凝固血栓に関する検討
HEMOFEEL®SHG-1.0とEXCELFLO®AEF-10の比較
佐藤 幸博金子 修三柳澤 克哉高野 知夫道小島 明美川瀬 友則塚本 雄介
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2018 年 9 巻 1 号 p. 58-62

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抄録

同じPolysulfone膜である,HEMOFEEL®SHG-1.0(SHG)とEXCELFLO®AEF-10(AEF)の両方を使用して,CRRT施行中の経時的な圧力モニタならびにヘモフィルター内の凝固血栓に関して,両者の違いを比較検討した。【結果】入口圧はSHG群が持続的に高い傾向であり,一方,返血圧は両群とも同程度であり,差圧はSHG群が統計学的に有意に大きかった。また,SHG群では,CRRT開始16時間以降で入口圧の上昇を認めたものの膜間圧TMPは20~30mmHgで経過した。治療終了後のヘモフィルター内の残血は,AEF群が3回のうち2回であったのに比しSHG群では全く認めなかった。今回の検討でSHG群がAEF群と比べて,差圧が上昇し,ヘモフィルター内の凝固血栓の回避で優位性を示したのは,血液線速度が高くなるようなSHGの構造設計で説明できる。【結論】CRRTに使用するPolysulfone膜ではSHGの選択がヘモフィルター内の凝固血栓の回避の点において有用な可能性がある。

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© 2018, 特定非営利活動法人 日本急性血液浄化学会
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