2014年1月から2016年3月の期間に久留米大学病院高度救命救急センターに搬入された敗血症性ショック症例のうち,KDIGO基準で血清クレアチニン値による基準と尿量による基準の急性腎障害重症度にmismatchが生じた症例で,血清クレアチニン値による基準が重症であった群をsCr群,尿量による基準が重症であった群を尿量群とし2群間比較した。sCr群は26症例,尿量群は20症例であった。臨床的重症度には差を認めなかったが,sCr群と比較し尿量群は,1日目から3日目までの尿量が1,600±1,400 vs 530±440mL/day,1,010±1,080 vs 320±390mL/day,980±720 vs 430±380mL/dayと有意に少なく,3/26 vs 8/20と有意に死亡症例が多かった。同程度の臨床的重症度であれば,尿量による基準が重症であった症例のほうがICU退室時転帰が悪い可能性がある。
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