抄録
画像研究において MRI と同様に核磁気共鳴現象を利用した Magnetic resonance spectroscopy (MRS)は生体内組織を構成する原子核の化学シフトの違いを定量化することが可能である。3T 以上の MRI 装置を用いることにより従来の方法では捉えることができなかった脳内物質であるγ-アミノ酪酸(GABA),グルタミン酸(Glu),グルタミン(Gln)なども非侵襲的に定量することが可能となった。本稿では初回エピソード統合失調症における MRS 研究の最近の知見と今後の展望について述べた。