日本生物学的精神医学会誌
Online ISSN : 2186-6465
Print ISSN : 2186-6619
新生児期マウスのグルココルチコイド曝露による思春期での嫌悪記憶消去学習の低下
関口 正幸
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ジャーナル オープンアクセス

2018 年 29 巻 2 号 p. 53-56

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抄録

幼若期におけるストレス被曝はその個体が成長してからの不安障害や気分障害などの発症に関してリスク因子と考えられている。ストレスホルモンであるグルココルチコイドはこの幼若期ストレスの作用機序において重要な役割を果たすと考えられているものの,新生児のグルココルチコイド被曝の成長後の情動行動への影響についての検討は少ない。そこで我々は,マウス新生児前期(生後2〜4日)にグルココルチコイド(コルチコステロン:CORT)を投与し,生育後(24〜30日齢など)の当該マウスにおいて条件性恐怖記憶を検討した。その結果,新生児前期にCORTを投与された生育後のマウスでは,恐怖条件付けにおける文脈性恐怖記憶の消去学習が強く損傷されていることを見いだした。

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© 2018 日本生物学的精神医学会
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