日本生物学的精神医学会誌
Online ISSN : 2186-6465
Print ISSN : 2186-6619
血清中の恒常的IL‐17A過剰は海馬歯状回のミクログリア活性に影響を及ぼす─精神・神経系疾患への関与の可能性─
佐々木 哲也武井 陽介
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2021 年 32 巻 2 号 p. 101-107

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抄録

ヘルパーT細胞サブセットであるTh17細胞による免疫反応は,自閉スペクトラム症,統合失調症,うつ病などの病態生理に関与することが臨床研究から示されている。これらの疾患では中枢神経系の構造異常がみられるが,Th17細胞とIL‐17Aの寄与については不明である。本研究では,血清中のIL‐17A濃度が恒常的高値を示す遺伝子改変動物の脳の解析を行い,海馬歯状回でミクログリア活性状態の低下と密度の減少を見いだした。

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© 2021 日本生物学的精神医学会
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