2019 年 5 巻 2 号 p. B_17-B_23
本研究では、歩行者用信号の青点滅の明滅周期を長くした場合に、歩行者の感じる必要以上の焦りを軽減できるかを検証するために、被験者に、明滅周期を調整した青点滅の模擬映像(現状の等倍(0.5 秒周期)、1.2 倍、1.5 倍、2.0 倍)を見せて、焦り度合等を評価させる実験を行った。一対比較法により、「焦り度合」、「急かされ度合」、「好ましさ」を解析した結果、明滅周期が長くなるほど焦り度合や急かされ度合が低くなる傾向が確認され、明滅周期の調整により歩行者の感じる焦りを軽減できることが示唆された。一方で、好ましい周期については、現状の 1.5 倍周期が最も高い評価となった。これにより、被験者がある程度の焦りを許容している姿勢もうかがえた。また、年齢層が高いほど長い明滅周期を好むことが明らかになった。