日本生物学的精神医学会誌
Online ISSN : 2186-6465
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気分障害における寛解と回復に関連した神経回路基盤の解明に資する縦断MRI研究の概要と気分障害における機械学習モデル
平野 仁一
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ジャーナル オープンアクセス

2024 年 35 巻 4 号 p. 159-162

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抄録
気分障害は,社会的,経済的負担がもっとも大きい疾患の一つである。一方で,各種治療においても寛解率は高くない。そのため,気分障害の精密医療につながる,生物学的な治療機序や回復過程の解明,さらに治療最適化手法の開発は,精神科医療において喫緊の課題である。「気分障害における寛解と回復に関連した神経回路基盤の解明に資する縦断MRI研究(通称:L/R study)」では,気分障害(うつ病)を対象として,薬物療法,認知行動療法,電気けいれん療法,反復経頭蓋磁気刺激療法の4種の治療を実施する各患者群において,MRI脳画像(構造・機能),および臨床データなどを縦断的に収集し,寛解・回復に関連する神経回路基盤の解明ならびに精密医療につながる治療最適化技法の開発を目標としている。本稿では,L/R studyの概要と気分障害における機械学習モデルについて概観する。
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© 2024 日本生物学的精神医学会
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