高齢者のケアと行動科学
Online ISSN : 2434-0553
Print ISSN : 1880-3474
主体的外出場所が地域在住一般高齢者の主観的ウェルビーイングに与える効果:高齢期のストレスフル・ライフイベントの体験・認知に関する調査結果から
齋藤 建児
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2019 年 24 巻 p. 13-24

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抄録
本研究は,高齢者が主体的な選択に基づいて外出する場所を所有するならば,ストレスフル・ライフイベントを体験した場合でも,その程度に関わらず主観的ウェルビーイングが増進する直接効果があるという仮説をたて,その検証を目的とした。本調査は,山形県酒田市に住む一般高齢者 400 人を対象に無作為抽出法による郵送調査を実施し有効回答数は 222 人あった。二要因の分散分析を用いて分析した結果,1) すべてのストレスフル・ライフイベントと主体的外出場所との間で交互作用は認められず,2) 主体的外出場所と「主観的健康感の減退」,「生きがい感の減退」,「配偶者との死別」の 3 つのストレスフル・ライフイベントにおいて主効果が認められた。このことから,主体的外出場所があることは,ストレスフル・ライフイベントの体験・認知の程度に関わらず,主観的ウェルビーイングが増進する直接効果を持つことが示唆された。
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© 2019 日本老年行動科学会
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