高齢者のケアと行動科学
Online ISSN : 2434-0553
Print ISSN : 1880-3474
認知症の受容と認知症の行動・心理症状(BPSD)の状況依存性に基づく介護者支援
山崎 孝浩
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2025 年 30 巻 p. 30-36

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抄録
多くのBPSD(認知症の行動・心理症状)は,家族や介護者の関わり方によって増悪・軽快しうる。BPSD の予防には,軽度認知障害(MCI)の段階から家族が病状を正しく理解し,本人に安心感を与えるような関わり方へと行動を変えていくことが重要である。そのために支援者は,家族の受容という心理的プロセスにも配慮し, それぞれの段階に応じた支援を行う必要がある。また, いったん繰り返されるようになったBPSD に対しては,行動の前後の状況変化に注目することで,薬物療法と非薬物療法を使い分けるアプローチを提案した。アルツハイマー病に対する疾患修飾薬の登場により,医療がMCI 期から積極的に関与できる環境が整いつつある今,BPSD を「起こさせない」「繰り返させない」ための支援のあり方が,あらためて問い直されている。
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© 2025 日本老年行動科学会
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