児童青年精神医学とその近接領域
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特集 児童・青年期における司法精神医学
犯罪・触法行為と自閉スペクトラム症
桑原 斉池谷 和
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2018 年 59 巻 2 号 p. 148-158

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抄録

自閉スペクトラム症/自閉症スペクトラム障害(autism spectrum disorder: ASD)の社会的な認知度が向上し概念が整理されたのは,最近30年ほどのことである。この間に,社会の側ではメディアで報道される犯罪・触法行為についてASDとの関連が取りざたされることが増えているように思われる。また,医療の側ではASDによる犯罪・触法行為についてケースレポートによる報告が蓄積されている。これらの逸話的な報道・報告は,犯罪・触法行為とASDの親和性を強調するが,犯罪・触法行為とASDの関連についての科学的な事実は多くない。本稿では,犯罪・触法行為とASDの関係について,現在までの知見を概説し,若干の考察を加える。

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© 2018 一般社団法人 日本児童青年精神医学会
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