臨床化学
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血中17β-エストラジオールの迅速酵素免疫測定法の開発とその臨床応用に関する基礎検討
鈴木 聡山内 忠一佐藤 浩金森 利至延原 正弘深谷 孝夫星合 昊
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1991 年 20 巻 2 号 p. 84-90

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抄録
血中17β-エストラジオール (E2) 値を迅速に測定するため競合法に基づく酵素免疫測定法を作製した。
本法では抗E2-6CMO-チログロブリン抗体, およびE2-3CME標識ペルオキシダ-ゼを用いることにより血清検体の直接測定が可能であり, さらに半自動免疫測定機器 (イムラボットSA-101) を使用した傾斜回転法により反応時間を30分と迅速化することができた。
本法のE2測定範囲は300pg/ml-10ng/mlであり, この範囲での測定値変動係数は同時再現性で 4.7-14%, 日差再現性では20%以下であった。一方, 種々ステロイドのうちエストロン, E2-3-(β-D-グルクロナイド) で各26%, 29%の交差率を認めたが, 排卵誘発時血中E2濃度を測定した結果, ラジオイムノアッセイとの相関はYEIA=1.66×RIA-0.01 (n=90), 相関係数r=0.95と良好であり, 体外受精などにおける血中E2値の迅速測定に応用可能であることが示唆された。
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