臨床化学
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第一遷移金属(銅, ニッケル,コバルト)を用いるビウレット反応の比較検討
松下 誠入野 勤村本 良三櫛下町 醇
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1991 年 20 巻 2 号 p. 91-96

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抄録
筆者らは, コバルトを用いるCo-ビウレット反応を組み立て, その反応特異性, 吸収スペクトルおよび反応の蛋白質問差などの基礎的性状を調べ, 同じ第一遷移金属である銅やニッケルを用いるビウレット反応との比較検討を行った。その結果, Co-ビウレット反応はCuあるいはNi-ビウレット反応とも異なった反応特性を示した。また, これらの3種のビウレット反応の中では, 蛋白質の定量法としてはCuおよびNi-ビウレット反応がCo-ビウレット反応に比べ有用であることが確認された。
さらに, 以上の検討結果から, ビウレット反応と用いられる遷移金属に関する解析を行ったところ, 平面四角形状錯体 (dsp2混成軌道) を形成しやすい遷移金属がビウレット反応を引き起こすことを明らかにした。
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© 日本臨床化学会
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