臨床化学
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健常人における75g経ロブドウ糖負荷試験時の毛細管血・静脈血血糖値の差について
古田 真由美齊藤 浩美中山 年正
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1993 年 22 巻 1 号 p. 35-41

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抄録
健常者を対象として, 75g経ロブドウ糖負荷試験 (OGTT) 時の耳朶血と静脈血血糖値の差 (採取部位差) について検討した。OGTT後の血糖値は有意に耳朶血>静脈血 (p<0.01) となり, 採取部位差の平均値は30, 60, 90, 120, 180分の順に24.6, 25.2, 19.3, 17.1, 9.3mg/dlで, 60分に最大値となった。採取部位差はいずれの時間でも大きな個体差が認められたが, 血糖値の高さと採取部位差の大きさとの間には相関関係は認められなかった。ブドウ糖値による病型判定では, 同一被験者でも毛細管血を用いた場合と静脈血を用いた場合とで異なる判定結果となる例が75例中16例に認められ, しかも, 毛細管血で75例中24例と多数例が境界型と判定されることから, 日本糖尿病学会正常型判定基準は静脈血と比較して, 毛細管血の方が低く設定されていると考えられた。
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