臨床化学
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汎用型自動分析機用1, 5-anhydro-D-glucitol測定試薬「ラナ1, 5AGオート」の性能の評価
福村 幸仁押谷 節子牛島 義雄小林 功原 文子田島 茂薮内 正彦
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キーワード: 診断薬, 糖尿病, 自動測定, 酵素
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1994 年 23 巻 2 号 p. 188-194

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抄録

汎用型自動分析装置用の1, 5-anhydro-D-g-ucitol (1, 5AG) 測定試薬「ラナ®1, 5AGオート」の有用性について評価した。この試薬は, pyranose oxidase (PROD) を用いて1, 5AGを酸化し, 発生した過酸化水素の量を比色系で検出し, 1, 5AGを定量するものである。しかし, glucoseはPRODと強く反応し, 血清中の1, 5AGの測定に干渉するため, ラナ®の反応系では, glucokinase (GK) でgiucoseをg-ucose-6-phosphateにリン酸化し, glucoseの干渉を除去している.そこで, glucose以外の糖類の影響を調べた。xylose, sorbose, galactose, gluconolactoneは, 正の干渉を起こしたが, これらは, 通常血清中には殆ど存在しない糖類であり, 血清の1, 5AGの測定には影響しないと判断された。また, 内因性の物質では, 著しい溶血と高ビリルビン値は負の干渉がみられた。この測定法の測定限界は約0.5mg/lであった。本法は, 従来法の酵素カラム法とも良く相関し, 感度, 再現性とも従来法より優れていた。この方法は, 1テスト当たりの処理時間は10分, 処理能力は600テスト/時間と, 簡便さと測定精度とも従来法より優れていた。

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© 日本臨床化学会
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