2025 年 11 巻 2 号 p. A_29-A_38
生活道路の安全対策をより促進するため,生活道路の事故件数や交通量データ等を組み合わせた客観的データを交通事故対策実施場所の選定に活用することが期待される.そこで,本研究では,ETC2.0 データ,DRMデータ及び交通事故データを用いて,徳島県内市街中心部の代表交差点117地点を対象に交差点単位で共分散構造モデルに基づき,生活道路交差点の交通事故件数と各種交差点特性との関係について階層的に要因分析を行った.その結果,見通しの悪さが交通事故増大に直接的に影響していること,幹線道路依存度から非優先側交通量を介して交通事故に与える間接的な影響が統計的に有意であることを明らかとした.このことから,各交差点の見通しなどの交差点属性に加え,位置する道路交通状況や土地利用などの視点を踏まえて危険性が高い地点を抽出する重要性が示唆された.