臨床化学
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HDL-コレステロール直接定量法の反応性に関する検討
山内 一由戸塚 実日高 宏哉中林 徹雄青木 義政勝山 努
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1997 年 26 巻 3 号 p. 150-156

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抄録

超遠心法により分取したリボ蛋白を試料として2社のHDL一コレステロール (HDL-C) 直接定量法の反応性について検討した。硫酸シクロデキストリンと化学修飾酵素を用いるa社試薬では VLDLと約6%, 分散型界面活性剤とポリアニオンを用いたb社試薬ではLDLと約5%の交差反応性を認めた。HDLに対する反応性には, HDL3では測定方法の違いによる差異がみとめられなかったが, HDL2に対しては両直接法が沈殿法 (デキストラン硫酸-リンタングステン酸-Mg2+) に比べ高い測定値を示した。HDL2分画をヘパリンアフィニティクロマトグラフィによりさらにアポE結合型とアポE非結合型とに分離し, それを試料として測定した結果, 両直接法は沈殿法では沈殿画分に存在するapoE結合型HDL2との反応性を認めた。また, それらの定量値はHDL分画の総コレステロールの測定値とほぼ合致していた。

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