1997 年 26 巻 3 号 p. 157-161
NCCLSの提案指針にそって, 総コレステロール (TCHO), トリグリセリド (TG), HDL-コレステロール (HDLC) の基準範囲を設定する目的で, その除外基準の選定について検討した。健常者群と疾患群の平均値の差の検定を実施するとともに, 1回の作業により35検査項目の影響を調べるために, 重回帰分析の手法を用いた。本法からTCHO, TG, HDLCに対する影響力のランキングを算出した。その結果, 疾患では高血圧症, 高脂血症, 高尿酸血症, 糖尿病などの代謝性疾患と肝臓病が血清脂質に対し影響が大きいことを確認した。検査項目ではLDH, ChE, UA, GLU, BMIなど栄養状態と関連の深い項目と高い相関性を示した。