2020 年 1 巻 J1 号 p. 1-8
インフラメンテナンス分野へのAIの導入は,今や避けることのできない少子化による担い手不足解消の切り札として期待されている.筆者が土木研究所で取り組んでいる道路橋メンテナンスサイクルへのAIの導入も,このような流れの中で始まったものであるが,橋のメンテナンスをシステム化することの意味について,改めて考え直す機会ともなった.システムの構築は未だ途上ではあるが,本稿は,AIによる道路橋の「診断」を中心としたシステムの選定と構築に向けての様々な検討の過程について,筆者が長年積み重ねてきた道路橋の維持管理に関する研究および経験を交えながら,中間報告として述べるものである.