2020 年 1 巻 J1 号 p. 301-306
国土交通省では,建設現場の生産量を把握する一つの手法として,クレーンを用いて施工ヤードに持ち込まれる資材質量を累積する方法が試みられている.生産量を質量として累積するためは,資材の種類,質量,運搬場所の3つの要素が必要である.試行工事では,ビデオ録画映像による資材分類,クレーンスケールによる質量計測,位置情報取得システムによる運搬場所の判別が行われた.運搬場所は,資材が施工ヤードへの搬入か搬出か,ヤード内の移動なのかを判別するためのものであり,計測座標に高い精度は必要としない.本稿は,資材種類の自動判別で試行された物体検出アルゴリズムYOLOの学習データにクレーンスケールを追加し,2台の定点カメラ映像から三角測量を用いて,クレーンスケールの概略平面位置をリアルタイムに把握する手法について記述したものである.