2020 年 1 巻 J1 号 p. 295-300
ボルトの本締め作業が正しく行われたか否かは仮締め作業時に行ったマーキングの変化を作業員が目視することで判断している.しかし,作業員が確認するボルトの数は膨大であり,確認作業に時間を要すること,確認結果の客観的な記録を残せないことが問題となっている.
我々はこの問題に対して深層学習を用いた画像処理技術によるボルト本締め確認作業自動化システムを提案する.提案システムはボルト締め付け箇所を撮影した動画を入力とし,個々のボルトの抽出,抽出したボルトのマーキングの抽出,マーキングに基づく締め付け判定を行う.判定処理の自動化と,画像処理を行うことで,処理結果を記録として残すことが可能である.本稿では提案システムの概要を述べ,システムを実環境下で運用するため,現場で撮影された動画を用いた評価を行った.