2020 年 1 巻 J1 号 p. 421-428
日本では,地震や豪雨に伴う斜面崩壊が数多く発生している.被害状況の把握のために,国土地理院などにより航空写真から斜面崩壊領域を示した地図が作成されているが,斜面崩壊領域の判読は作業者が目視・手作業で行っており,多大な労力およびコストを要している.また,目視・手作業では迅速な地図作成が難しく,被害状況の迅速な把握の妨げになっている.その解決を目指し,深層学習に代表される人工知能技術を活用して斜面崩壊領域の検出を行う研究が進められている.しかし,いまだ研究は発展途上にあり,手法の蓄積が必要な段階にある.そこで本研究では,斜面崩壊領域の選定作業の効率化を目的とし,深層学習によるSemantic Segmentationを用いた斜面崩壊領域の自動検出手法の提案を行う.これにより,斜面崩壊領域を効率的に検出し,被害状況の迅速な把握を目指す.