2021 年 2 巻 J2 号 p. 202-210
豪雨災害発生時において,人的被害の軽減や住民の避難ルート確保のためには,土砂災害によって道路が通行不能になる降雨の程度をあらかじめ把握しておくことが重要である.本研究では,「通れた道マップ」の情報を機械学習におけるラベルとして用いて,令和2年7月豪雨時のデータを学習させた道路の通行不能予測モデルの構築を試みた.しかし,構築されたモデルは実際に通行不能になったラベルに対する再現率が低く,道路が通行不能になる降雨の程度を把握するためのモデルとしては不適切であることがわかった.この理由として,災害発生箇所の特定に問題があったこと,入力データとして地形的特徴と降雨情報だけでは不十分であったことが明らかになった.