2021 年 2 巻 J2 号 p. 251-260
モルタル吹き付けのり面は高度経済成長期に多く施工され,老朽化が一斉に進んでいる.モルタル吹き付けのり面の変状のうち浮きについては,目視により確認することは困難であり,打音検査により確認する.しかし,点検技術者の不足,国や地方自治体の財政難などの状況下において,今後打音検査のみによる浮きの診断を継続的に行うことには限界がある.本研究では浮き部と健全部で熱容量に差がある特徴を活用して,UAVに搭載した赤外線カメラより取得した赤外線画像を用いて深層学習モデルの構築を行なった.また,学習に用いていない画像を用いた実験の結果,モルタル吹き付けのり面に存在する浮き部の推定を精度良く行う事が出来ることを確認した.