2021 年 2 巻 J2 号 p. 362-369
社会インフラの維持管理分野において,少子高齢化の深刻化によって技術者が不足している.加えて,老朽化が進行した構造物が増加しているため,維持管理コストの削減が求められる.このような人手不足の解消やコストの削減に期待がもてる技術として,近年,近接目視点検の代替手法となるICTを活用した点検が注目されている.VR(Virtual Reality)を用いた手法では,現場に赴く必要がないため社会インフラの点検業務の省力化が期待できる.本研究では,VR技術を活用し現実の橋梁をVR空間上に再現し,AIを用いて検出した損傷を表示することで,点検環境の構築及びAIの結果表示による点検支援の可能性の検証を行う.