AI・データサイエンス論文集
Online ISSN : 2435-9262
ICカードデータを活用した生存時間分析による緊急事態宣言下での公共交通利用特性の把握
西内 裕晶松田 紗奈板垣 伸政
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ジャーナル オープンアクセス

2021 年 2 巻 J2 号 p. 503-509

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抄録

本研究では,2020年4月に新型コロナウィルスの感染拡大により発出された緊急事態宣言が高知都市圏における公共交通利用者に与えた影響をマクロ的,ミクロ的に把握する.具体的には,ICカードデータを活用することで,マクロ的分析としてゾーン間OD利用者数の変化を,ミクロ的分析として利用者の利用頻度の変化について,いずれも生存時間分析により把握するものである.その結果,緊急事態宣言発令後のゾーン間OD利用者数の変化には地域特性が存在することや,高頻度利用者のトリップ数の変化にはその行動特性が関係することを把握できた.したがって,提案した方法により ICカードデータを活用することで,緊急事態宣言等が発出された際もしくは宣言解除後に利用促進策を促すべき公共交通利用者を把握することができる可能性を示すことができた.

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© 2021 公益社団法人 土木学会
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