2021 年 2 巻 J2 号 p. 495-502
都市河川の多くは高度経済成長期に整備されたコンクリート護岸が張り巡らされており,経年劣化に伴い河川点検の重要性が増している.都市河川を管理する地方自治体では,これまで目視により点検を行ってきたが,不具合箇所の増加と熟練技術者の不足により,様々な課題が顕在化している.本研究では横浜市を例に,地方自治体における現状の河川点検の課題を抽出し,課題解決に資する河川管理 DXを提案した.河川管理 DXはデジタルツインを前提として, AIと人による点検を組み合わせたワークフローと,それを実現するためのアプリケーションからなる.本稿では提案した河川管理 DXを横浜市河川の一部区間で試行して得られた知見と今後の展望について述べる.