2022 年 3 巻 J2 号 p. 1010-1016
本稿では,高速道路トンネル内に設置されている灯具の劣化を予測する多層ニューラルネットワークモデル(以下,AIモデル)を構築する.判定区分Cに分類される点検結果の灯具取付部を対象とし,灯具の劣化速度に影響があると考えられる環境要因15項目を入力とし,次回点検時での劣化の進行の有無を出力とするAIモデルを構築した.また,従来型モデルの代表としてロジスティック回帰モデルを構築した.続いて,構築したモデルに対して,学習に用いていない未知のデータを入力して予測を行い,その予測再現性を評価した.その結果,AIモデルがロジステ ィック回帰モデルよりも高い精度で灯具の劣化を予測可能なことを示した.更に,入力データの感度分析を実施し,モデル精度の向上に重要な変数を明らかにした.