2022 年 3 巻 J2 号 p. 1017-1023
機械学習技術の1種である勾配ブースティング決定木(Gradient Boosting Decision Tree,以下 GBDT)は 性能・計算速度ともに優れているため,実務・研究ともに広く利用されている.本研究では,橋梁長寿命化修繕計画の高度化を目的として,栃木県が管理する橋梁の諸元および過年度点検データと,気候や地形等のGISデータである国土数値情報とを,畳み込みニューラルネットワーク(Covolutional Neural Networks,以下CNN)とGISを用いて教師データとして結合し,損傷劣化が進展する橋梁を判定するモデルをGBDT にて構築することを検討した.検証の結果,高性能に損傷進展の有無を推定するGBDTを構築することができた.また,構築したGBDTを用いて損傷進展の有無等により橋梁データをグルーピングし,グループごとに劣化曲線を導出することにより,従来法よりも誤差が小さくなることが確認できた.