2022 年 3 巻 J2 号 p. 1091-1098
近年,我が国では,高齢化の進展に伴い公共交通空白地域における移動手段確保が大きな課題となっている.その課題の解決に向け,路線バスやコミュニティバスよりも利用者のニーズに対応した需要応答型交通は,今後ますます重要となると考えられる.埼玉県東松山市では,公共交通空白地域における移動手段の確保を目的として,2015 年 12 月にデマンドタクシーを導入した.事業開始から約 6 年が経過し,需要が定着した一方,サービス改善の要望や,事業費の増加といった課題も生じている.
本研究では,これまでに蓄積された利用実績データを用いて,需要のヒートマップを作成し,ニューラルネットワークを用いた深層学習の画像認識技術を適用することにより,時空間的な需要スポットを予測するモデルを作成した.