2022 年 3 巻 J2 号 p. 1082-1091
我が国では,近い将来,首都直下地震・東海地震など大規模な地震の発生が想定されており,莫大な数の建物被害の発生が予想される.それらの地震で被害を受けた建物に対する各種調査の迅速な実施と調査結果の公開が,迅速な被災者の生活再建につながることは自明である.そこで,本研究では,応急危険度判定,建物被害認定,地震保険損害査定,被災度区分判定を対象として各調査の調査項目の重複程度を分析した.その結果,応急危険度判定と建物被害認定,建物被害認定と地震保険の損害査定には,多数の重複調査項目を確認した.また,過去の地震災害を例に取り,地震後の各調査の調査実態を明らかにした.以上の結果から,応急危険度判定,建物被害認定,地震保険損害査定の各調査は,調査結果の共有を行うことにより迅速な調査を実施可能であることが明らかとなった.