2022 年 3 巻 J2 号 p. 231-237
我が国では,工場などから流出した油類や化学物質が原因となる水質事故が発生している.工場に隣接する排水処理施設や下水処理場では,施設管理者・水質監視員による目視確認によって水質監視を実施しているが,昼夜を問わない継続的な監視が必要となっており,監視人員の配置,水質状態の監視手法に課題がある.そこで本研究では,AI(Artificial Intelligence)技術の一種であり,高度な画像解析能力を持つ深層学習(Deep Learning)を用いて,水質異常を自動検知するモデルを構築し,実際の排水処理施設における F/S を実施した.その結果,水質監視の高度化・省力化に深層学習が有効な技術となり得る可能性を示した.