2022 年 3 巻 J2 号 p. 433-437
PICフォーム(ポリマー含浸コンクリート)は衝撃・摩耗に対する高い耐久性の面で優れており、頑健性が必要とされる重要箇所に用いられている。その耐久性を測る重要な指標の一つがポリマーの含浸率である。含浸率を計測する従来手法としては含浸前後の重量を比較する手法がある。重量を比較する手法は原理的に非常に明瞭である半面、大型のPICフォームに対して適用するためには大がかりな重量計測装置が必要となる。そのような重量計測はつり上げるなどの手法をとるために所要時間と危険性の面で問題である。本論文では含浸率と音伝播特性に一定の関係があるとの仮説を立てた。スピーカーとマイクを用いた装置を試作し、音伝播特性の変化を機械学習によって推定した。その結果、実用に足る精度で含浸率を推定できることを明らかにした。