2022 年 3 巻 J2 号 p. 479-487
本研究では,画像解析による水位計測手法として,研究事例が少ない物体検出モデルYOLOを用いた手法を提案した.また,夜間における解析精度を高めるために,画像の撮影には近赤外線カメラを使用した.調査対象は,瀬戸内海に面する香川県水産試験場とし,現地沖に設置されていた柱の浸水面積の変化を利用し,水位を計測した.1週間の撮影画像データのうち,約 1.5日間の画像データ1830枚を教師データとし,YOLOv5 で機械学習を行い物体検出モデルを作成した.その他の期間の画像データについて,作成モデルにより解析を行い,出力される検出物体(水上柱)の座標データを用いて水位を算出した. 観測期間を通して,YOLOにより推定された水位と高松港の実測値のRMSEが昼間は9.91 cm,夜間は7.14cm であり,夜間において,昼間に比べて高い計測精度が記録された.