2022 年 3 巻 J2 号 p. 488-497
大気汚染(NO2濃度)を予測する深層学習モデルを提案した.提案モデルは,気象(気温と風速),交通量,BG濃度の将来予測値を入力データに取り込み,LSTMを用いて構築した.気象の将来予測値は,気象庁の数値予報(MSM)を現地観測データに適合するよう補正した.交通量は,周期的な時刻変動パターンを取り入れたモデルで推定した.BG濃度は気象の将来予測値から推定した.提案モデルは,過去データのみで予測するよりも大きく予測精度が改善し,将来予測値の導入の有効性を確認した.また,提案モデルの予測値を用いて,環境基準の評価指標である日平均値の変化傾向を相関係数0.89で推定した.推定結果を判断指標とすることで,より適切な交通量の迂回誘導情報の提供につながることを示した.