2022 年 3 巻 J2 号 p. 594-601
耐候性鋼材の外観評価基準は必ずしも定量的ではなく,評価が容易でない場合がある.そこで本研究では,画像分類問題に使用される畳み込みニューラルネットワークを用いてさび画像分類AIを構築し,モデル構造の違いによる分類傾向の確認,複数モデルを用いた多数決によるアンサンブル法の実施によって,簡便性と実用性を有する外観評価手法の検討を行った.その結果,さび画像の分類精度はモデルにおける 畳み込み層構造の層構造パターンに比べて,pooling方法の違いによる影響を受けやすいことを明らかにした.また,複数の学習済みモデルを用いた多数決による簡易なアンサンブル法を用いることにより,誤判定の傾向をコントロールしながら分類精度の更なる向上が可能であることを示した.