2023 年 4 巻 3 号 p. 109-118
限られた調査データから地盤内の自然含水比分布を予測することを目的として,北海道の天塩地区,および江別地区の泥炭地盤で実施した調査結果にもとづき,ガウス過程回帰を用いて自然含水比の2次元分布をベイズ推定した.また,クロスバリデーションを用いて予測精度を検証した.推定結果にもとづいて,マルコフ連鎖モンテカルロ法によって推定された空間相関に関するパラメータの値が示されており,泥炭地盤の空間相関の範囲が一般的な無機質土地盤よりも狭いことを示した.また,クロスバリデーションの結果にもとづいて,予測値の精度におよぼす観測値と予測点の間隔の影響について議論している.2つのサイトにおける調査データのあてはめの結果,泥炭地盤の2次元含水比分布がガウス過程回帰によって推定可能であることが示されている.